本研究では、電子お薬手帳を基盤としたPHR※1(personal health record)を活用し、患者服薬ニーズを収集・解析し、患者選好に基づく育薬※2(医薬品・製剤最適化)のためのエビデンスの創出を目指します。
※1 PHRとは
PHRとは、Personal Health Record(パーソナルヘルスレコード)を略した用語で、デジタルを活用して健康・医療・介護などに関する患者さんご自身の情報を保存した記録です。
※2 育薬(いくやく)とは
お薬は市販されてから多くの患者さんに使用されていくなかで、新しい情報が収集・蓄積されていきます。お薬に新たな情報を付加したり改良を加えたりすることで、お薬をもっと安全に、もっと使いやすく進化させることを「育薬」と言います。
concept
研究コンセプトお薬をもっと安全に、もっと使いやすく進化させていく「育薬」の実現のためには、実際にお薬を利用している「患者さんの声」の収集・蓄積が必要不可欠です。しかし、従来のアンケート調査では、患者さんが服用している薬剤に関する服薬実態を正確に把握することが困難であり、育薬を進めるための情報としての利用には限界がありました。
この点、harmoの電子お薬手帳では、お薬手帳データ(PHR)と皆様の声(アンケートの回答)をかけ合わせることで、調剤情報にもとづいた患者さん個々の正確な服薬情報を把握した上で、皆様が普段飲むお薬に感じている飲みづらさや使いづらさといった製剤に関する情報を収集することが可能です。こうした情報をもとに、ユーザーの皆様が「飲みづらい」と感じる製剤や処方の特徴を特定し、飲みやすく使いやすい薬の開発や処方デザインへ生かすことを目指しています。
detail
研究内容harmo の電子お薬手帳のプラットフォームを利用して、お薬の飲みやすさや飲みづらさについてお伺いするアンケート調査を実施します。各回のアンケートの結果につきましては、リンク先のページをご確認ください。
result
研究結果概要お薬の飲みやすさアンケート
news
お知らせ-
[学術誌掲載]
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[イベント実施]
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[学会発表]
医療薬学フォーラム2023/第31回クリニカルファーマシーシンポジウム(山形)にて共同研究成果を発表しました。
一般演題
淺野真輝、今井俊吾、清水友梨、木﨑速人、吉田奈央、島田昌典、山東崇紀、石島知、堀里子「電子お薬手帳を基盤としたPHR活用による,「薬を大きくて飲みづらいと感じる」患者の予測モデル構築」 -
[学会発表]
第25回日本医薬品情報学会総会・学術大会(京都)にて共同研究成果を発表しました。
一般演題
淺野真輝、今井俊吾、清水友梨、木﨑速人、吉田 奈央、島田昌典、山東崇紀、石島 知、堀 里子「電子お薬手帳を基盤としたPHR活用による患者が飲みづらい薬の大きさの指標と閾値探索」 -
[メディア掲載]
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[メディア掲載]
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[メディア掲載]
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[メディア掲載]
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[メディア掲載]
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[メディア掲載]
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[メディア掲載]
harmo株式会社(代表取締役CEO 石島 知)と慶應義塾大学薬学部医薬品情報学講座(教授 堀 里子)は共同研究契約を締結し、「電子お薬手帳を基盤としたPHR活用による治療最適化に関する研究」に取り組んでいます。本ウェブサイトは共同研究の一環で運営しています。
harmo(ハルモ)は、個々人の医療・健康情報を個人やご家族が活用可能な「harmoおくすり手帳」や「harmoワクチンケア」を開発・提供しています。「harmoおくすり手帳」はスマートフォンアプリケーションおよび専用ICカードを合わせ約40万人(2022年10月現在)の利用者を擁し、全国16,000軒以上の薬局で利用実績があります。
「harmoワクチンケア」は、予防接種の接種間違いを未然に防ぐための予防接種情報管理の必要性が注目されている中、簡単にワクチン接種情報を記録・管理するだけでなく、接種間違い防止や長期的な個別のアフターフォローが可能です。
現在は、川崎市川崎区にて、小児のワクチン接種を行う全32の内科・小児科にharmoワクチンケアが設置されており、多数の接種間違いを未然に防止した実績があります。harmoシリーズを提供することにより、生活者一人ひとりの健康価値の向上に貢献しています。
医薬品情報学講座では、情報学を基盤とした学際的なアプローチにより、医療や地域社会における諸課題の解決に取り組んでいます。特に、薬学的視座での疾患予防・治療の個別最適化と医療安全の推進を中心に据えています。
リアルワールド(医療現場、地域や生活の場)における“情報”(= 医療・健康情報)の収集、解析・評価、検証(ラボワークも含む)、それらを通じた新規のエビデンス・システムの創出までを目指しています。